この記事は PA-API v5 に関する技術的な仕様変更を解決するための記事ではありません。
個人的にAPI仕様変更に対して感じたことの記事です。
PA-API v5 について
Amazonから商品情報を取得するための PA-API(Product Advertising API)ですが、昨年からバージョンが上がるということで、各方面では対応を急いでいることかと思います。
昨年中に切替を完了しなければ PA-API v4 を利用しているアプリケーションでは情報が取得できない様なアナウンスがあった様です。
しかしながら、現状はまだ使えている様ですが、今年度中の終了が確実の様です。
このAPIによって、Amazonアソシエイトを利用しているアプリでは、アプリ側で豊富な情報表示が可能なため、多くのかたが利用されていたかと思います。
特にWordPressを利用したアフィリエイト運営では、当該APIを利用するAmazon公式プラグイン「Amazon公式リンク作成ツール(Amazon Associates Link Builder)」を活用しているでしょう。
WordPressの便利さからAPIの存在を認識すらしていないブロガーは多くおられるのではないでしょうか。
バージョンアップによる問題
PA-API が v4 から v5 になることによってAmazon内の商品情報取得ができなくなり、またアソシエイトによる売り上げも期待できないとのことです。
これは既存コンテンツの売り上げを維持するためにはかなり大きな問題であり、コストをかけて対応が必要でしょう。
ブログ運営によるものでは、大量の記事を修正する必要が出るでしょう。
プラグインなどを利用している方ではプラグイン側が対応してくれればコストゼロで対応完了かもしれません。
しかし、「Amazon公式リンク作成ツール(Amazon Associates Link Builder)」を利用している方々についてはなんと、こちらのプラグインもサポート終了となるため、現状のままでは収益化できないこととなります。
レガシーを切り捨てる英断
「Amazon公式」という物に対して信頼性を感じ、当該プラグインを利用してWordPressでアフィリエイト運営をしている場合、かなり致命的問題だったのではないでしょうか。
「プラグイン」という物自体は技術的部分を開発者に移譲することで、その他の部分に注力することができる非常に大切な物です。
それらのサポート終了は大変な自体です。
「サポート終了」ということ自体、今回のPA-APIに限らず大変な出来事です。
この英断?の背景はどの様な物なのでしょうか。
サポート終了の重要性
例えば、以前にTwitterでリアルタイムにツイートを取得することができた「Streaming API」が終了となった際には大きな問題になりました。
サードパーティアプリはアプリの存在を否定されることになり得たからです。
今回のPA-API は代替として、バージョンアップとしてv5になるわけで、できたことができなくなるわけではなさそうです。
ただ、「リプレイス」という大きなコストのかかる作業を必要とさせる改変なのです。
もしかしたら、放置している様なアプリなどでも少なからず収益があったかもしれません。
しかし、放置を続けるとその収益も0になるわけです。
先にも書いた通り、そもそも PA-API を意識していなかったブロガーなどもおられるのではと考えると、大きな事象ではと考えてしまいます。
提供される物に頼るということ
今回のことで、改めて「開発者への期待」はよく考えて選定しなければいけないことを認識させられたのではないでしょうか。
仕様や問題の解決策としてたった一つの選択肢から選ぶということは大きなリスクです。
いくつか代替案がある状況から、「より良いものを選択した」という形で選んでいかなければ今回に限らず大きなコストをかけてメンテナンスする必要性が出てしまいます。
また、メンテナンスで解決すれば良いのですが、最悪こちら側としてもサービス停止となってしまうこともあります。
プラグインやオープンソースライブラリを利用してサービスを立ち上げる際には「どの様な技術によって実現されている機能なのか」を多少なりとも意識しつつ、アンテナをはりながら設計しなければならないことを再確認したと考えています。