iOS 11に搭載される新機能のMusicKitは、Apple Musicの機能をアプリに組み込むためのデベロッパー向けのキットです。
Apple Musicへのアクセス
MusicKitを利用すれば、アプリからApple Musicや、ローカルストレージに保存された音楽ライブラリの曲を再生する、Apple Musicの曲をライブラリに追加する、Apple Musicに未加入のユーザーに対し、Apple Musicのトライアルへの登録を促すなどの機能を実行することができます。 これらの機能により、音楽プレイヤーアプリなどの作成がしやすくなるのはもちろんのこと、Apple Musicのトライアルへの登録を促すことで、同サービスの利用者の拡大に貢献するのと同時に、そのアプリを経由して登録したり、有料コンテンツを購入させるシステムが成立すれば、新たなビジネスが確立される可能性も秘めています。 また、音楽プレイヤーは、ほんの一例に過ぎず、Apple Musicと連携させながら、曲を再生する機能を利用した、さまざまなエンターテイメント分野を活用したアプリの登場も、期待されています。
API群
MusicKitは、主に、MediaPlayer、StoreKit、Apple Music APIの3つから構成されています。 Media Playerは、音楽などの音声データを再生したり、ライブラリやローカルストレージなどから検索することができます。 StoreKitは、アプリ内購入によって有料コンテンツの販売や、サービスを提供するためのフレームワークです。 Apple Music APIは、Apple Musicと連携するためのWeb APIで、アルバム、アーティスト、チャートなどの各種情報や、よく聴いている曲、最近聴いた曲、投稿したレーティング情報など、ユーザーのパーソナルな情報の取得も可能です。
サンプルコード
これらの新機能を、いきなりすべて組み込んで試すのは大変な手間がかかってしまいますが、そんなユーザーのために、サンプルコードが提供されています。 AppleのDeveloperサイトのトップページのメニューからDevelopを選択し、画面下へスクロールしたところにあるResourcesのリストの中のMusicKitを選択します。 さらに画面中央からやや下にあるSample CodeのInteracing with Apple Music Contentを選択すれば、ダウンロードが開始されます。 また、Developerサイトのディスカッションフォーラムでは、MusicKitの活用についても活発な議論が行われ、新たなアプリや、ビジネスへの応用が模索され、傾聴に値するアイデアで溢れています。