呼び出し音が2回だけ鳴り、電話はすぐに出た。 聞き慣れた可愛らいしい声が聞こえた。 [adsense] 「なあに?どした?」 モナは同じバイト先の先輩で年上。だけど、趣味が合うし、なんというかちょっと幼稚なところがあるから年の差を感じない。 でも、いつでも親身に相談に乗ってくれるし、いつも的を得ている気がする。 それから。美人で胸が大きい。 何かあるたびに、モナに電話した。モナから連絡が来ることはあまり無いけど、こちらから電話するとバイト中以外はほとんどすぐに出てくれる。 電話はいつでも1時間以上話すし、それでも足りない気がする。 わざわざ、モナに話す必要はないけど、プログラムのことを話してみた。 「あの人、危ないことはやってないと思うんだよね。単純に手伝ってくれる人が欲しいんじゃないかな?」 確かに。オカヤマさんは色々なことに興味を持つタイプだけど、根は小心者。 「プログラムに興味があるならやってみればいいんじゃない?」 今まで話した人の中で、一番説得力がある気がした。いつもモナの言うとおりにしてしまう。 「それに最近はパソコンできる人ってモテるみたいだし。」 別にモテたいなんて思ったことはないし、そんなことを言われることが少し悲しかった。 それから、しばらく他愛のない話を小一時間してから電話を切った。 今日の電話はなんだか、さっぱりと切ることができた気がする。 モナとの時間より、少しずつパソコンにさわっていたい気持ちの方が強くなってきたのかもしれない。 母からもらったパソコンを開く。 ペンが付いていて、画面に絵を描くこともできるから、簡単なチラシを作ることもできた。 バイト先のチラシを自分なりに作ってみた。 なかなか、うまくできていると思う。 ピザの特売チラシ。特売日なんてないけど、いつか必要な日が来るかもしれない。 その時は店長に見せてみよう。 見せる気はないけど、自慢したい。 自慢したいけど、見せたくない。 うまくできていると思いつつも、まだまだ自信はなかった。 明日のシフトにモナは入っていない。 バイト先に着いたら必ず、モナのシフトを確認する。 直接聞けばいいのに、こっそりと休憩室で一人になった時に確認している。 その代わり、明日はオカヤマさんがいる。 オカヤマさんには話したいことがある。 ※この物語はフィクションです。 < 第2話へ戻る > 第4話へ続く